平湯聡のコーヒー探求記⑤ コスタリカ
コスタリカ エルバス ブラックハニー
今年も、中米・コスタリカより、とっておきのコーヒー「コスタリカ エルバス ブラックハニー」が空輸便にて入荷しました!
今春収穫してできあがったコーヒー生豆を空輸便を使い、日本へと届けています。例年人気をいただいている、数量限定の摘みたてフレッシュなコーヒーです。
昨夏の中米視察では、エルバス・マイクロミルも訪問してきたので、今回はその様子もご紹介します。
コスタリカのコーヒー生産事情
コスタリカのコーヒーは、マイクロミル単位での流通が主流です。マイクロミルが周辺のコーヒー農家が収穫したコーヒーを買い取り、自社内のマイクロミルで処理し、輸出業者へ販売されます。
コスタリカでコーヒー主要産地の一つ「ウェストバレー地区」は、近年COE(Cup of Excellence :カップ・オブ・エクセレンス)で優勝を果たしたマイクロミルを多数輩出しています。
ウェストバレー地区にあるエルバス・マイクロミルは、そのすばらしい生産技術でこのエリアを代表するマイクロミルでもあり、コスタリカのマイクロミルのパイオニアです。
また、環境先進国であるコスタリカでは、中南米で主流である水を大量に使う“ウォッシュド(水洗式)”という精選方法ではなく、環境負荷をなるべく抑えるため「ハニープロセス」という精選方法が考案されました。
2000年に入り考案された新しい作り方で、果肉をむいたときにパーチメントの表面に残るミューシレージを残したままの状態で乾燥させる精選方法です。ミューシレージを残したまま乾燥させることで、ミューシレージの甘みを内部の種子にあたるコーヒー豆に浸透させていきます。
ミューシレージの残り具合で「レッドハニー」や、「イエローハニー」などの呼称で分けられることもあり「ブラックハニー・プロセス」は、ミューシレージを100%残したまま乾燥させるプロセスです。コーヒーが本来持っている果実の甘みを極限まで引き出します。乾燥によって加えられた熱により、ミューシレージの甘み成分がカラメル状になり、黒くなることが“ブラックハニー”と言われる由来になっています。
CAFETALERA HERBAZUに訪問して
エルバス・マイクロミルは、2001年にバランテス一族で設立された家族経営のマイクロミルです。
「エルバス(HERBAZU)」とは、「Hermanos, Barrantes, Zuniga」(エルマノス・バランテス・ズニガ)の頭文字から取った略称で、「Hermanos」とは、“兄弟”の意味です。
バランテス兄弟で設立したという由来になっています。看板にあります「CAFETALERA」とは、コスタリカの公用語であるスペイン語で、“コーヒー農家”のことです。
訪問したのがコーヒーの閑散期にあたる8月だったため(コスタリカの収穫期は1月から3月くらいです)、工場内は稼働していませんでしたが、実際に収穫後にコーヒーチェリーを処理する機械を見せてもらいました。この機械のことを“ミル”と呼んでいます。
上部の四角い枠のコーヒーチェリー投入口から、実を入れます。
最終的にはドラムにミューシレージが付いたままのコーヒー豆が入り、遠心力を利用してミューシレージを除去していきます。回転させれば回転するだけ、ミューシレージが除去できます。
エルバス・マイクロミルオーナーであるアントニオ・バランテス氏は、レオンシオ農園のオーナーでもあり、自らの手でコーヒーの栽培から収穫、さらにはエルバス・マイクロミルでの精選までを行う、優れたハニーコーヒーの作り手の一人です。
農園内は緑の葉っぱが生い茂っており、とても良質な環境でコーヒーが栽培されていることが伺えました。
今回のコーヒーは「ブラックハニー・プロセス」で作られたコーヒーで、コーヒーが本来持っている果実の甘みを極限まで引き出し、複雑な風味と濃厚な甘さが特徴です。
また、新鮮な状態でコーヒー豆をお届けするために、空輸直行便を使って運んでいます。通常コーヒー生豆が日本に運ばれる場合、コンテナ船を使い海運輸送で3か月程度の時間がかかります。コーヒー生豆の状態でも経時変化が少なからず生じてしまうリスクがあります。
空輸便を使うことで、出荷後1週間程度の短期間で日本まで運ばれるため、このコーヒーだけの摘みたて、フレッシュでみずみずしい味わいが感じられます。
エルバスブラックハニーの甘味をより楽しんでいただくため、大和屋の主流である木炭焙煎ではなく、今回はガス焙煎にて皆さまへお届けします。
グリーンアップルのようなジューシーな甘み、クリーンでまろやかな口当たり、そして春摘みならではのフレッシュでみずみずしい味わいをぜひお楽しみください。
商品情報
<商品名>
コスタリカ エルバス ブラックハニー
<コーヒー豆詳細>
生産国:コスタリカ
エリア:ウェストバレー ロウルデス・デ・シリ
生産者:ホセ・アントニオ・バランデス
標 高:1,650m
品 種:カトゥアイ
プロセス:ブラックハニープロセス
焙煎度:シティロースト
<価格>
珈琲豆100g 977円(税込価格)
<発売日>
2024年4月12日(金)〜数量限定
<販売店舗>
・大和屋直営店
大和屋高崎本店 / 高崎吉井店
YAMATOYA COFFEE 32
・大和屋グループ各店
(※一部取り扱いのない店舗もございます)
・大和屋ネットショップ
https://shopyamatoya.com/
今回のデザインについて
このコスタリカの珈琲からは青リンゴのような甘さやジューシーさ、みずみずしさが感じられます。
味わいのキーワードとなる青リンゴのようなフレッシュで明るい緑色。そして、これから訪れる新緑あふれる春のイメージを合わせ表現しました。暖かい春の時期に楽しんでいただきたい一杯です。
平湯聡のコーヒー探求記
平湯聡のコーヒー探求記①グアテマラ編vol.1
平湯聡のコーヒー探求記②グアテマラ編vol.2
平湯聡のコーヒー探求記③グアテマラ編vol.3
平湯聡のコーヒー探求記④ホンジュラス編
次回に続く…