平湯聡のコーヒー探求記②グアテマラ編vol.2

シェードツリー

グアテマラをはじめ、中米の国では、コーヒー農園を訪れると、森の中に迷い込んできてしまったような・・・そんな印象を受けます。

中米グアテマラにおいてコーヒーが栽培されているエリアは主に山の中にあり、自然に近い環境が保たれます。ほかの樹木と共生しながら森の中にコーヒーが自生されているようにも見えます。

起伏のある急な山の斜面沿いにコーヒーの木が植えられていることもあります。山の中で栽培されているため、機械を使うことができず、コーヒーの収穫となると、人の手で収穫が行われ、腰にかごを付けて、手摘みで赤いコーヒーチェリーを丁寧に収穫していきます。山の登り降りだけでも大変なくらいですが、どんどん収穫していくと、収穫したコーヒーチェリーはカゴの中で重たくなり、相当な重労働になってきます。

シェードツリーについて

コーヒー農園では、コーヒーの木を守るために、高い木が日差しを遮るようにしてある“シェードツリー”と呼ばれます。スペイン語では「sombra(=ソンブラ)」と言われ、これは“日陰、影”という意味であります。中米のコーヒー産地において、シェードツリーはコーヒーの木を直射日光から守るための樹木です。

コーヒーの木は強い直射日光に弱く、浴び続けると葉が日焼けしてしまいます。そうすると、充分な栄養がコーヒーチェリーに行き渡らず、コーヒー豆の大きさや品質にバラツキがしまいます。シェードツリーは、直射日光を遮り、コーヒーの木を適度な日陰にして育てることで、コーヒー豆の大きさを均一にし、品質も安定させる役割を担っています。

また、シェードツリーの落ち葉は良質な肥料となり、土壌そのものを肥沃にしてくれることもあります。また風が強いエリアだと、コーヒーの木を守るための防風林としての役割もあります。

シェードツリーに向いている樹木は、少ない水分で育つマメ科の高木(たとえば、インガという木だったり)をよく見かけます。窒素はコーヒーの栽培に必要な養分であり、マメ科の植物は根に窒素を蓄えるので、コーヒーが窒素を吸収できるという共存関係が成り立ちます。

バナナやマンゴー、ほかにオレンジやアボガボの木もシェードツリーとして植えられることがあります。食用としても実益を兼ねていますね。

 

それと・・・グアテマラのある農園を訪問した際に、おどろきの出来事が!!!
なんと、太陽の周りに虹がかかっていたのです!!

こういうめずらしい現象も起きるのですね!

次回に続く・・・

平湯聡のコーヒー探求記①グアテマラ編vol.01

Photo by Satoshi Hirayu

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