プロフェッショナル対談
グアテマラ
コーヒーのプロフェッショナル
エドアルド氏
今回は、大和屋代表取締役の平湯聡(ヒラユ サトシ)がグアテマラを訪問した際、グアテマラで指折りのカッパーであるエドアルド氏に行った、インタンビューについてご紹介します。
2024年1月26日に販売した「グアテマラ セラニア農園 マラゴジッペ」のことについて、お伺いしました。

エドアルド(Eduardo Ambrocio)氏についてはこちら
セラニア農園とのかかわり
Q:セラニア農園とのかかわりは、どういったきっかけがあったのでしょうか?
エドアルド氏:農園のオーナーのペドロ・フェルナンデス氏に会ったのは、私がまだAnacafeに在籍した頃で、もう25年も前のことです。当時、セラニア農園のコーヒーは、アンティグア、ウエウエテナンゴといったエリアの優良な農園と並んで、私のお気に入りのコーヒーのひとつでした。

私がAnacafeを去った後、2013年に再び彼と連絡を取ってみました。娘のマリア・ホセ・フェルナンデスはデンマークに移住し、ヨーロッパ市場に自分たちの農園をセールスしようとしていました。そこで、私は彼らのために、コーヒー生産に関する技術的なサポートを始め、彼らと一緒にグアテマラのコーヒーを盛り上げようとしています。

グアテマラ中部エリアのコーヒーについて
Q:セラニア農園のある、グアテマラ中部のエリアはコーヒーの生産地としては、まだそこまで知られていないかなと思います。エルプログレッソ県のエリアのコーヒーはどんな特徴はありますか?
エドアルド氏:まず、彼らにとって大きな課題は天候です。雨が降りやすく日照時間が非常に限られていることに加え、常に湿度が高い地域なのです。そのことがコーヒー生産においても影響しています。
そういった気象条件から、乾燥の段階では非常に時間がかかり、30日から40日かかってしまいます。陽に当てての乾燥だけでなく、温風を送って乾燥させる乾燥機も併用しなければなりません。セラニア農園では、ビニールハウス内でコーヒーの乾燥をおこなっています。

しかし、私たちはそれぞれのロットをチェックし、風味や味わいがきちんと出ているかカッピングすることで品質の確認を徹底しています。


セラニア農園をはじめた当時、彼らは農園内にウェットミル(収穫してから処理する施設)がなかったため、最も容易な生産処理方法であるナチュラルというプロセスで処理せざるをえなかった経緯があります。
その経験値からナチュラルプロセスのノウハウには長けており、いまでは伝統的な水洗式のコーヒーとは違った付加価値として差別化しています。
さらに、彼らは差別化をより進めていくために、マラゴジッペ種の生産を始め、実験的にゲイシャ種の栽培にも取り組み始めました。
1月26日発売
グアテマラ セラニア農園マラゴジッペについて
Q:今回少量ですが、セラニア農園からマラゴジッペ、ナチュラルプロセスのコーヒーを仕入させてもらいました。特徴はどんなところでしょうか?

エドアルド氏:このマラゴジッペは、心地よいさわやかさやフルーティさをとても感じ、風味の複雑さもありながらバランスがうまくまとまっていると思います。非常に良いカップクオリティを持っています。
この品種ははとても背が高く大きな葉を持ち、葉の先端がブロンズ色になるのが特徴です。一方、病気には非常にデリケートで、栽培においては細心の注意を払わなければなりません。
また、ナチュラルという手間の掛かるプロセスのため、乾燥に時間もかかり、品質が悪くなるリスクも伴います。管理を徹底することで、きれいな印象もありながら、ナチュラルならではの甘い果実味を感じるとても良いナチュラルのコーヒーをつくることができます。


インタビューを終えて
久しぶりにエドアルドさんとお会いし、昔話にも花を咲かせながらカッピングしました。また偶然ですが、「マラゴジッペ種のナチュラル」という珍しくもあり、とても良いコーヒーにも出会うことができました。こうしてご紹介できるのは、エドアルドさんとの縁があったからこそ、と感じています。
ぜひ、エドアルドさん厳選の「セラニア農園マラゴジッペ ナチュラル」をお楽しみください!
Photo ご本人提供