水によるコーヒーの味わい

コーヒーの味は、コーヒーの生産地や品種・精選方法、コーヒー豆の鮮度や焙煎方法・焙煎度。
そして抽出方法など、さまざまな要因によって変化します。

以前のdeepressoで「味を変える要因」にスポットをあて、コーヒー豆の味を変える6つの要因を紹介しました。
記事はこちら

その中から今回は「水」に焦点をあて、大和屋の商品や製造の管理を担当する、商品部 課長の松本さんからご紹介します。

profile
商品部 課長 松本拓也さん
・コーヒーインストラクター2級

「皆さんはどのような味や印象のコーヒーがお好きですか?水によってもコーヒーの味の印象が変わるので、ぜひ参考にしてみてください」

水の基準や種類

使う水の『硬度』や『pH』によって、淹れるコーヒーの味わいが変わります。

ちなみに、日本の水道水の『硬度』は、地域によって多少の違いはあるものの、ほとんどが「軟水」といわれており、『pH値』は「5.6以上8.6以下」と定められています。

硬度とは?

水に含まれている、ミネラル分であるカルシウムやマグネシウムの含有量を表したものです。含有量が多い水が「硬水」、少ない水が「軟水」と言われます。

1リットルあたりのミネラル含有量(mg/L)

  • 軟水 0~60 未満
  • 中程度の軟水(中硬水) 60~120 未満
  • 硬水 120~180 未満
  • 非常な硬水 180 以上

(WHO(世界保健機関)バックグランドドキュメントによる基準)

提唱者により分類の基準が異なるのですが、日本では社会通念上、軟水・硬水の境を硬度100mg/Lで分けることが多いようです。

(出典:一般社団法人 日本ミネラルウォーター協会)

pHとは?

水や液体の「酸性」「中性」「アルカリ性」を示す数値で、0〜14の数値で表されます。日本の水道水の『pH値』は「5.6以上8.6以下」と定められています。

pHの値

  • pH7:中性(例:純水)
  • pH7未満:酸性(例:レモン汁、酢)
  • pH7より大きい:アルカリ性(例:石鹸水、重曹水)

大和屋の珈琲と相性の良い水は?

コーヒーに向いているのは「軟水〜中硬水」と言われます。これは、コーヒーの成分反応しやすいミネラル分の多い硬水で淹れると味わいが変化するためと考えられます。

そこで今回は、硬度が違う水を用意し、大和屋の代表銘柄である『大和屋ブレンド』を抽出し、飲み比べてみました。

【今回用意した水】

●A(硬度:10/pH:)軟水
●B(硬度:17/pH:)軟水
●C(硬度:27/pH:)軟水
●D(硬度:140/pH:)中硬水
●E(硬度:304/pH:)非常な硬水
●F(硬度:1468/pH:)非常な硬水

pHはいずれも約7(6.6~7.4)

【今回用意した豆】 

大和屋ブレンド

全体的な味のバランスが取れた定番の珈琲。
大和屋の代表的な味わいの一つです。

飲み比べ実験

実際、6種類の水で淹れたコーヒーの味わいについてご紹介します。

●A(硬度:10/pH:)軟水

コーヒーにまろやかさが感じられる飲み口。
冷めたときにやや渋さや若干のえぐみを感じる。

●B(硬度:17/pH:)軟水

まろやかな口当たりと、木炭焙煎ならではの重ための苦みやコクも感じられる。
冷めても、良い渋みは残り、えぐみなどは少ない。
大和屋ブレンド向きの水の一つ。

●C(硬度:27/pH:)軟水

飲みやすく、大和屋社員でも「コレは定番だね!」となる味。苦・甘・酸・コク・香、味のバランスがとれていて、冷めても美味しい。
大和屋のカフェなどでドリンク提供しているなじみのある味に近く、向いている水の一つ。

●D(硬度:140/pH:)中硬水

口当たりにやや固い印象を感じ始める。
コーヒーのボディが感じにくくなり苦みがやや立つ印象。舌に残る質が、渋さになる。

●E(硬度:304/pH:)非常な硬水

飲み慣れない飲み口で、テクスチャーに明らかな違いを感じる(イガイガやトゲトゲ)
急激に味や香りが弱くなった印象。全ての要素が弱くなった分バランスは良い。

●F(硬度:1468/pH:)非常な硬水

飲み口は引き続き違和感や、固い感じ、イガイガ・トゲトゲのような感じを受ける。
桁違いの硬水で抽出されたコーヒーは、明らかに飲み慣れない味。酸は感じられるものの香りも含め他が極端に少なく、抽出がうまくできていない印象。

オススメ

軟水、今回試した中では硬度が20〜30の水が特に大和屋の木炭焙煎コーヒーの抽出にはオススメ!という結果になりました。

日本の水道水はこれらと同じ「軟水」のため、コーヒーを美味しく楽しんでいただけるお水と言えます。また、水道水でも地域(浄水場)によって硬度に幅があるので、お住まいのお水の硬さを調べてみたり、今回のようにミネラルウォーターで淹れるのもコーヒーを楽しむ幅が広がりオススメです。

おまけ:お家で美味しく飲むコツ

お家でコーヒーを楽しむ際、浄水器を通したり、煮沸の時間を通常よりも長めにして、カルキ臭を除去したり、ちょっとした工夫でさらに美味しいコーヒーをお楽しみいただけます。

ぜひ、美味しいコーヒーをお楽しみください。

About Author /

deepresso編集部が「より深くコーヒーの魅力についての情報発信」を行います。コーヒー業界のトレンドや、最新のトピックも取り入れながら、大和屋が今まで培ってきたコーヒーのノウハウを活かし、一歩踏み込んだ情報をコーヒー好きの皆様にお届けします。

Start typing and press Enter to search