コーヒーの味を変える要因

コーヒーの味は、コーヒーの生産地や品種・精選方法。コーヒー豆の鮮度や焙煎方法・焙煎度。そして抽出方法など…様々な要因によって変化します。

いつも同じお店で同じコーヒー豆を買って淹れているのに、「今日はなんだかいつもと味が違うな」と感じた経験は一度はあるかと思います。

それは、いつもと同じようにコーヒーを淹れているようで、何か味の変わるいつもと違う要因があるのかもしれません。

コーヒーの抽出について味が変わる要因を深く知ることで、コーヒーの味わいをコントロールすることができ、自分好みのコーヒーを作るための近道になるはずです。

今回のdeepressoではコーヒーの抽出「味を変える要因」にスポットをあて、ご紹介します。

コーヒー豆から、コーヒーへ

そもそもコーヒーにおいて「抽出」とは、コーヒー豆に含まれている成分を湯(水)へと移すことを意味します。

ペーパードリップやフレンチプレス、サイフォンやエスプレッソマシーンなど…さまざまな抽出方法・器具がありますが、どの抽出方法もコーヒー豆と湯(水)が触れることで抽出が始まります。

水分がコーヒー豆の内部へ浸透していくことで、コーヒーの内部にある成分が外へと出て、湯へと溶け込みます。それを濾過したものが、私たちが飲んでいるコーヒーです。

コーヒー豆の味を変える6つの要因

抽出において、コーヒーの味が変わる要因は6つあります。

1.使用するコーヒー豆

どういったコーヒー豆を使うか…は、コーヒーにおいて一番味が変わる要因の一つです。同じ産地のコーヒー豆でも、焙煎度合いが違うだけで全く違った味わいのコーヒーになります。

焙煎度合いが強いほど苦味を感じやすく、弱くなると酸味を感じやすくなります。

また、コーヒー豆の鮮度によっても味わいは変わります。焙煎後から日が経ったコーヒー豆は酸化が始まり、香りも味わいも悪くなります。

2.水

使う水の硬度やpHによって、味わいが変わります。日本の水道水は、地域によって若干の違いはありますが、ほとんどが軟水と言われており、pHは「pH5.6以上8.6以下」であることが基準として規定されています。なので日本国内の場合は、基本的にそのまま水道水を使って問題ありません。

水によるそれぞれの味わいの違い

硬水苦味が強くなる
軟水マイルドな味わい
アルカリ性の水コーヒーの酸味を中和するため、まろやかな味わい
酸性の水コーヒーは酸性のため、酸味がより強くなる

硬度…水に含まれている、ミネラル分であるカルシウムやマグネシウムの含有量を表したものです。含有量が多い水を「硬水」、少ない水を「軟水」と言います。

pH…水の中に溶け込んでいる水素イオンの濃度を示す数値のことです。0〜14までで表され、数値ごとに7を中性、7以上をアルカリ性、7以下が酸性と分類されています。

3.コーヒー豆の量

水に対して使用するコーヒー豆の量が多くなるにつれ、味わいも濃くなります。

4.粒度(挽き目)

コーヒー豆の粒度(挽き目)は、細挽き・中細挽き・中挽き・中粗挽き・粗挽きと約5段階に分けられます。使用する抽出器具により、基準となる粒度が決められています。

細かくなればなるほど湯と粉の接触面積が増えるため、成分移動の効率が良くなり味わいも濃くなります。

5.湯温

温度が高いほど、コーヒー内部に含まれる成分の移動速度が早くなるため、味わいも濃くなります。

また、湯温はコーヒーの香りにも影響を与えます。湯温が高ければ、高いほど強く香りを感じることができます。水出しコーヒーはその名の通り水から抽出しますが、香りが少なく感じるのはその為です。

湯の温度は90℃を一つの目安にして、苦味を抑えたい場合は3~5℃程度下げてみたり、逆にスッキリしすぎて物足りない場合は2~3℃程度上げてみると良いでしょう。

6.湯と粉の接触時間

湯と粉の接触時間が長いほど、成分が湯へと移動する時間が長くなるため、濃くなります。

フレンチプレスなどの浸漬式と言われる抽出方法では、接触時間の影響が大きいです。 逆にペーパードリップなどの透過式と言われる抽出方法では、一定の湯量を注ぐには技術が必要となるため、接触時間をコントロールすることが難しいです。

浸漬式…コーヒーの粉をお湯(水)に漬け込むことによって、コーヒーの成分を溶け出させる方法

透過式…コーヒーの粉にお湯を通す事で抽出する方法

まとめ

コーヒーの味わいが薄い場合は…

・粉の量を増やす
・粒度を細かくする
・湯温を高くする
・湯と粉の接触時間を長くする

コーヒーの味わいが濃い場合は…

・粉の量を減らす
・粒度を粗くする
・湯温を低くする
・湯と粉の接触時間を短くする

コーヒー豆の量や、挽き目、湯温など…ルール作りをする事によって、日々のコーヒーの味わいが安定し、自分が求めているコーヒーの味わいに近づく事ができます。

初めから全てを変えるのではなく、まずはどれか一つを変えて徐々に変えていくのが良いでしょう。最も変えやすいのはコーヒー豆の量です。1〜3g前後を目安に変えてみてください。

コーヒーの抽出において参考になれば幸いです。

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