グアテマラという国について
グアテマラのコーヒーは知っているけれど、なかなか知っているようで知らない?“グアテマラ”についてご紹介します!
グアテマラ共和国は中央アメリカ北部に位置する国で、北にメキシコ、北東にベリーズ、東にホンジュラス、南東にエルサルバドルと国境を接しています。
首都はグアテマラシティで、グアテマラ全体の国土面積は108,889㎢と、北海道と四国を合わせた大きさほどです。
民族構成はマヤ系先住民(インディオ)が全人口のおよそ半数を占め、今でもマヤ文明の歴史を色濃く残しています。公用語はスペイン語で、その他に、マヤ民族からなる22もの部族で異なる言語があります。

現在では、経済的にはコーヒーをはじめ、果物、香辛料といった農業と、繊維産業が現在においても主力です。世界遺産のティカル遺跡や、古都・アンティグアも町全体が世界遺産認定されており、観光業も盛んです。
古都・アンティグア
以前のグアテマラの首都であったアンティグアは至るところに石造りの教会が点在し、通りも石畳になっていて、街歩きだけでも楽しめます。ちなみにスペイン語の語学教室がたくさんあり、留学生も多いです。



また、グアテマラはかつてマヤ文明が栄えた地であり、現在でもその文化が色濃く残っています。

特に、“ウイピル”と呼ばれるマヤの伝統的な民族衣装は、あざやかな色彩とデザインで知られています。言語と同じように、民族衣装の柄・デザインも部族によって異なっています。また柄も植物や動物など、それぞれに込めた意味も違っているそうです。

グアテマラの食生活
グアテマラの主食は“トルティーヤ”というものです。トルティーヤはトウモロコシが原料で、すりつぶして粉にして水でこねて薄くのばして焼きます。
お米はあまり食べずに、トルティーヤを食べています。グアテマラ以外も中米でも、トルティーヤを主食としている国が多いです。


中米の薄焼きパン、と言ってもいいのでしょうか。マヤ文明よりトウモロコシはマヤの神様からの贈り物と言い伝えがあるようで、トウモロコシは大事なものとみなしています。
それと、“フリホーレス”というインゲン豆を煮込んだものを一緒に食べます。

グアテマラのコーヒー
グアテマラは日本の3分の1程度の大きさの国ですが、コーヒーの生産量は世界第10位と中米を代表するコーヒー生産大国です。グアテマラは、国土の約70%が火山に囲まれた山岳地帯で、厳しい寒暖差や豊富な雨量、火山灰の土壌など、コーヒー栽培には絶好の条件が揃っていて、高品質のコーヒー豆を生産することができます。


グアテマラを含む中米では栽培地の「標高」が基準となっており、「標高が高い=厳しい環境=コーヒー豆の風味が豊かになる」と考えられています。


グアテマラへのコーヒーの伝播は1700年代半ば頃とされ、1800年後半にはコーヒー栽培は全国に広がっていきました。

グアテマラでのコーヒーのエリアは、その多くが山岳地帯で栽培されています。山の斜面でコーヒーが栽培されているのもしばしば。そのため、コーヒーの収穫も手で収穫する、手摘みでおこなわれています。赤く完熟のコーヒーチェリーだけをひとつひとつ選びながら収穫するため、収穫には大変な労力となっています。そういった丁寧に収穫されている様子を見ると、日本にやってくるコーヒーがとてもいとおしく感じられます。

グアテマラコーヒーの産地について

https://www.guatemalancoffees.com/main/regions-and-profiles/)
8つのコーヒーエリア
・コバン(COBAN) 1年を通じて多湿、霜で覆われている。石灰岩を含む土壌。 独特なフレッシュ・フルーツの香り、洗練されたバランスの良いこく、心地よい芳香。 ・ウエウエテナンゴ(HUE HUE TENANGO) 都市部から最も遠く、土壌は岩も多く含み最もでこぼこしている。最も高度の高い栽培地域。メキシコから乾燥した熱風が吹き付ける。 上品な、強い酸味、こくがあり、心地よいワインの香り漂う。 ・サンマルコス(SAN MARCOS) 最も多くの火山を含む。コーヒーの開花時期が最も早い。8つの地域の中で最も激しい雨が降る。 香気にも味にも繊細な花のような香りがある。際立つ酸味と豊かなコク。 ・アティトラン(ATIT LAN) 火山により閉じ込められている。大きな火山湖がある。日光の最も良く照る気候。 心地よい芳香が立ち、鮮やかな柑橘類の酸味があるこくがあって味わい深い。 ・アカテナンゴ(ACATENANGO) 最も新しいコーヒーの栽培地域。この地域はコーヒーを主要な産物としていることから「コーヒーの土地」と呼ばれている。 際立つ酸味、芳しい香り、バランスのとれたこく深さ、さっぱりとした余韻のある後味。 ・アンティグア(ANTIGUA) 渓谷に包囲されており、最も乾燥した気候。肥沃な火山性土壌。 優雅でバランスが良く、豊かな芳香が漂い、非常に甘い味わいがある。 ・フライハネス(FRAIJANES) 岩の多い高度大地。軽石を多く含む土壌。湿度は高く、変動しやすい。 冴え渡る持続性の酸味。 ・オリエンテ(ORIENTE) 最も生産性の高い地域。熱帯大西洋の海盆の影響がある。変成岩を含む土壌。 バランスが良く、深いコクがあり、チョコレートのような風味がある。 引用:Anacafé グアテマラ・コーヒー・アトラス
それぞれの地域で栽培されたコーヒー豆は、その地域独特の風味と香りを持っています。これらの違いを楽しみながら、グアテマラコーヒーを味わってみてください!
Photo by Satoshi Hirayu