プロフェッショナル対談
パンとコーヒーの話
『政次郎のパン』
オーナーシェフ大島 政次郎 氏
2020年『政次郎のパン』さんと大和屋珈琲がコラボレーションして、リニューアル販売をした『パンに合う珈琲』
それ以来、交友のある『政次郎のパン』さんが2025年2月に新店舗を建設し、リニューアルオープンしました。
今回、大和屋珈琲社長の平湯聡が『政次郎のパン』さんの新店舗にお邪魔して、オーナーシェフの大島 政次郎さん(以下:政次郎さん)にインタビューした記事をお届けします。

<interviewee>
『政次郎のパン』 オーナーシェフ
大島 政次郎(オオシマ マサジロウ)氏
<interviewer>
『株式会社大和屋』代表取締役
平湯 聡(ヒラユ サトシ)
県民に親しまれるベーカリー『政次郎のパン』

ー2025年2月に移転オープンされましたよね。
今回のオープンにあたり、新しく変わった点や、こだわられた点はどこでしょうか。
そうですね、まずお店が広くなりました!
以前の店舗は店内に数名入るとすれ違うのが難しい広さだったのですが、新店舗は店内が約1.5倍広くなったので、以前よりゆったりお買い物してもらえたり、ベビーカーや車いすの方でも店舗に入ってもらえるようになったと思います。
パンを焼く工場部分は約3〜4倍大きくなり、オーブンも1台追加になったので、たくさんパンが焼けるようになりました。
ー個人的にもよく利用させてもらうのですが、トレーいっぱいにパンを買われている方も多いですよね!
パンを焼く量はどれくらい変わりましたか?
今まで1日2,000〜3,000個くらい焼いていたと思うのですが、売り場が広くなってからは5,000個くらい焼いていると思います。前から100種類以上焼いていましたが、今は確実にもっと多いですね。
新店のオープン当初は「以前の店舗だと並べきれなかったパンが並べられるようになるね〜」と喜びつつ、以前よりも多く焼いていたのですが、それでも売り切れになってしまって。
スタッフ全員、がむしゃらに焼き続ける!という日が続きました。
今は焼く順番やコツも覚えてきて、切らさずご用意できるようになってきました。

ー新しい店舗のこだわった点も教えてください!
いい意味で「変わらない」を大切にしました。場所も、ほぼ変わっていないので「移転したの?」と驚かれることもありますが、お店をスタートした場所ですし、お客様に覚えていただいている場所でリニューアルができて本当によかったです。
あとは「山小屋」風の木のぬくもりある感じや、以前から使っている看板やデザインも使ったり、お店の張り紙も以前同様、手書きで書いたり。

このおもちゃの棚も、お会計まちのお子さんとかに喜んでもらえたらと思って、そのまま飾っています。実は「これ飾って」と預かるおもちゃもあったり、このおもちゃの棚のファンがいるみたいです♪

大切なものは変えずに、お店の機能を良くするための工夫は積極的にしました。冷蔵ケースを入れてより多くの冷蔵商品を出せるようにしたり、新しく買ったパンを食べていただけるスペースを設けたり、淹れたてのコーヒーもご提供できるようになりました!


前の店舗の教訓を生かした工夫もしています。
例えば、西日で店内が暑くなりすぎたので、窓を設けず温度管理をしやすくしたり、ベビーカーも通れる広さに設計してもらったり。バックヤードも、調理しやすく働きやすくするための工夫もしました。でもやっぱり、作ってみると「もっとこうしたかったなー」っていうのはありますね(笑)
-私もごく最近、政次郎のパンさんの近所に店舗を開業したので、とてもよく分かります(笑)

パン×コーヒーの魅力と可能性
-突然ですが、政次郎さんは、一日にどれくらいコーヒーを飲まれますか?
そうですね、3杯くらい飲みます。朝、目覚ましにホットコーヒーを1杯、日中に1杯、仕事終わりに1杯と昔からおおむね決まってます。
若いときは、缶コーヒーでしたが、今は手軽に美味しいコーヒーが飲めますし、店舗が新しくなってからはお店にも専用のコーヒーメーカーを入れたので、よりコーヒーを楽しめています。
大和屋さんのコーヒーを使わせていただいているので、美味しいですよ、ありがとうございます!

-いえいえ!こちらこそ、嬉しいです。ありがとうございます!
-政次郎さんとは2020年に『群馬のおいしいパン屋さん』という本の掲載にあたり、大和屋の「パンに合う珈琲」のリニューアルにご協力いただく形で初めてお会いしましたよね!
政次郎さんとお話して勉強になることばかり。政次郎さんはパンとコーヒーの魅力や可能性についてどう思いますか?
自分にとっても、とても興味深く、良い機会になりました。大和屋さんが豆を焙煎されているシーアンドシーさんで、焙煎の工程を見たり、飲み比べさせていただいたのをよく覚えています。「こんなに味違うんだ!」って驚きました。
パンとコーヒーって相性がいいなって改めて感じましたし、パンとコーヒーを作る側の視点で共通点が結構あって、盛り上がりましたよね(笑)

-そうでしたよね!材料やそれらを扱うときの環境、工程の一つひとつに味を左右する要素があって。お互い奥深すぎますねって(笑)
パンも、作る日によっても違ったりしますか?
コーヒー同様、材料や工程で全然ちがってきますし、例えばレシピがあって素材や量が同じでも作る人が変わると、ぜんぜん焼き上がりが違うんです。発酵が関係するので温度や時期の見極めなど細かいことで変わるのですが。自分で作ってても、毎日同じは難しいし、全く同じものはできないんです。
まさにそこがパンの難しいところで、面白いところです。
-奥深いですね…。政次郎さんからは熱心さとパンが好きなんだな~という思いが、見たりお話を聞いていると伝わってきますよね。そんな政次郎さんがつくるパンのファンが多いのはとても納得です!(自分もです)
平湯さんも熱心ですよ。『パンに合う珈琲』の開発の際、平湯さんが、コーヒーの味づくりにあたって、飲みはじめからパンを食べ終わって少し冷めるときの味まで考えて味づくりをしていたのが印象的でした。
最後に・・・

-とても楽しい企画でしたよね、すでにうちのコーヒーを店舗で提供していただいたり、大和屋本店でのパンイベントにご協力いただいたりしていますが、今後も様々な形でコラボレーションできると嬉しいです。
はい!私もぜひしたいです。以前も『パンに合う珈琲』の他に『デニッシュに合う』『ハード系に合う』などのアイデアが出てましたが、そういうのも楽しそうです。
前回はパンを主役にコーヒーの味を設計されてましたが、例えばデニッシュ系はスイーツとして召し上がる方もいるので、コーヒーが主役のような味わいでも良いかもと思ったり。
-すごい!もう企画が進みそうですね。あと、個人的に政次郎さんのシュトーレンのファンなので、シュトーレンと弊社のクリスマスブレンドなどのギフトなど一緒に食べてもらう提案とかもしてみたいです。
お店も近所になりましたし(大和屋前橋六供店と政次郎のパン)、パンも珈琲も街も楽しくなるような取り組みをいろいろとしていきたいですね!
-はい!ぜひ今後ともよろしくお願いします


この後も、まだまだ絶えない、パン×コーヒー談義をさせていただき、コラボの夢がたくさん膨らみました。大島政次郎社長、本日も貴重なお話をありがとうございました!
今後の政次郎さんとのコラボレーションもぜひお楽しみに。
店舗情報

政次郎のパン
群馬県前橋市六供町1221-2
営業時間 8:00〜18:30
定休日 月曜日と第3火曜日
TEL 027-265-6062
Instagram https://www.instagram.com/masajironopan/