「初級 カッピングセミナー」レポート

前橋六供店 Co_LABO

2024年10月オープンの前橋六供店で開催された 「初級 カッピングセミナー」の様子をご紹介します。午前と午後の2部制で行われた本セミナーには合計16名の方が参加してくださいました。

こちらの店舗には「Co_LABO(コ・ラボ)」というフリースペースがあり、コーヒーに関する講座や体験、作家さんの展示など、コーヒーのように自由に活用でき、人々が集い、さまざまなことに出会い、時には繋がれる場所。として設けられました。

■講師紹介

20年以上COEで審査員を行う、コーヒー界のレジェンド
関根 伸慈(せきね しんじ)氏

(左から 平湯聡 氏(大和屋)、松元啓太 氏、関根伸慈 氏(ワタル株式会社)


「カッピング歴は40年以上になりますね」と微笑む関根氏。
国際品評会「カップ・オブ・エクセレンス(COE)」の審査員を務め、現在はワタル株式会社でカップテイスターとしてご活躍、牽引されています。カッピング技術の普及に尽力し、全国で講師を務め「世の中にはこんなにすばらしいフレーバーの飲料があると知ってもらえたら嬉しい」と今回のセミナーにも熱い思いを寄せてくださいました。

Profile

・1982年 ブラジルコーヒー院 クラシフィカドール(コーヒー鑑定士)取得
・2000年 日本人2人目のカップ・オブ・エクセレンス(COE)国際審査員参加
・2001年 日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)設立時、理事として尽力
・2016~18年 日本スペシャルティコーヒー協会会長
・現在 ワタル株式会社 専務取締役
その他

・ テクニカルスタンダード委員会 委員
・ 東京穀物商品取引所
・ 珈琲品質検査員、コーヒー運営委員

 「初級 カッピングセミナー」

#01 スペシャルティコーヒーの定義

まず初めに「スペシャルティコーヒー」の定義(日本スペシャルティコーヒー協会)について、レクチャーがありました。

具体的には・・・
・生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆であること。
・適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること。
・適切な抽出がなされ、カップに生産地の特徴的な『素晴らしい風味特性』が表現されることが求められる。

補足としては・・・
スペシャルティコーヒーと一般のコーヒーは、日本スペシャルティコーヒー協会のカップ評価基準に基づき、コーヒーの液体の風味(カップ・クオリティ)により判別・区分する。

#02 カッピング体験

コーヒーの液体の風味を判別・区別するために「カッピング」を行いながら、カッピングフォームと呼ばれる書式に、それぞれのコーヒーのすばらしさを数値化し判定・評価していきます。

評価する際には、数値によるランク(良いかどうか)と、理由(どのように良いか)を感じ記していきます。

今回は4つの豆(内2つは合計点数が80点以上の「スペシャルティコーヒー」)をカッピングしました。

まずはそれぞれの豆を、挽いた状態の「ドライ」、お湯を注いだ状態の「クラスト」、スプーンでかくはんする際の「ブレーク」それぞれ香りを吟味し、3段階の評価と、特徴や印象を記します。

挽いた状態の「ドライ」
お湯を注いだ状態の「クラスト」
スプーンでかくはんする際の「ブレーク」

そして、いよいよ、専用のスプーンを使ってテイスティングです。

カッピングスプーンから勢いよく吸い込むことで、液体が霧状になり、鼻腔にある嗅上皮という場所で香りを感じやすくなります。これによって、舌で感じる味わいと合わせ、それぞれのコーヒーの味わいをより繊細にキャッチできるようになります。

このテイスティングには8つの指標(カップ評価項目)があります。各項目8点満点で、最後に基礎点の36点を足し、100点満点で評価をつけます。

今回は4種類なので、4種類に対してそれぞれこの8項目が何点かつけていきます。こちらも点数と合わせて、その理由(どのように良いか、悪いか)味の印象を記入していきます。

テイスティングの際、吸い込み霧状にするにはコツが必要で、習得にはある程度時間がかかります。難しい場合は吸い込まず、舌で味わっても大丈夫です。

レジェンド関根氏のテイスティングは、ピューと鷹やトンビが鳴くような高音が響き、会場の参加者からは「音が全然違いますね!」と驚きの声が上がっていました。

テイスティングを重ね、評価を書き込んでシートを完成!

最後は会場の皆さんと4種のコーヒーの点数発表や、「ベリー系の甘い香りで」「シトラスのようなスパッとした印象で」のように、それぞれが感じた味の印象を発表しました。

#04 参加者の声

高崎市在住・男性
普段から「高崎本店」をよく利用しています。店内にあったチラシで今回のセミナーを知り、以前、飲み比べのイベントに参加して楽しかったので、今回も参加しました。
カッピングは初めてでしたが、とても楽しめました!やってみないとわからないことがたくさんあるなと実感。趣味をもっと広げたり深めたりしていきたいと思っています。

前橋市在住・女性
ホームページでこの講座を見つけて参加しました。コーヒーが好きで、一人の時間が増えたのを機に、もっと豊かな時間を過ごしたいと思って今はいろいろ勉強中です。
点数や個性を考えながらコーヒーを味わう中で、改めてコーヒーの奥深さを感じました。今度はコーヒーの淹れ方も学んでみたいです。

大和屋前橋六供店「Co_LABO(コラボ)」では、これからもコーヒーに関する講座や体験、作家さんの展示など、さまざまな催しを企画中ですので、ぜひお立ち寄りください。

大和屋珈琲 前橋六供店 information


営業時間 9:00〜19:00(年中無休)
住  所 群馬県前橋市六供町5-1-1
電話番号 027-289-2340

前橋六供店 お知らせHP
前橋六供店 Instagram


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deepresso編集部が「より深くコーヒーの魅力についての情報発信」を行います。コーヒー業界のトレンドや、最新のトピックも取り入れながら、大和屋が今まで培ってきたコーヒーのノウハウを活かし、一歩踏み込んだ情報をコーヒー好きの皆様にお届けします。

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