コーヒー豆:産地編 「エチオピア」

「アラビカコーヒー発祥の地」として有名な、エチオピア(エチオピア連邦民主共和国)。多くのコーヒーファンを魅了する、特徴的な風味を持っています。

今回のdeepressoでは、魅力あふれるコーヒーの生産地「エチオピア」についてご紹介します。

目次

エチオピアについて
コーヒーの生産
コーヒーの味わいの特徴
コーヒーの格付け
最後に

エチオピアについて

エチオピアは東アフリカに位置し、農業を核とした政策により、近年は経済成長が続いています。その一方で、慢性的な食糧不足や経済成長によるインフレなど、新たな経済課題が顕在化してきています。

コーヒー発祥の地らしく、生産されるコーヒーの半数以上は国内で消費されています。客人をもてなす時に行う伝統的な習慣「コーヒー・セレモニー」があり、コーヒーを愛し大切にしている国でもあります。

日本との関係性においては、コーヒーの輸入が貿易の主要品目になっており、コーヒーが日本とエチオピアを繋ぐ一つの懸け橋となっている。といっても過言ではありません。

また、エチオピアの首都(アディスアベバ)の中心部にある大統領府の敷地内には日本庭園があります。1956年に第二次世界大戦後、最初の国賓として当時のエチオピア皇帝が訪日した際、視察した日本庭園に感銘を受けて建設したものになります。

その後も日本とエチオピアの友好関係の象徴として、様々なイベントなどでも使用されています。まだ一般公開はされていませんが、現在一般公開の可能性についても検討されているようです。

日本文化と似ている点も多く、目上の人には敬意をはらう姿勢やお辞儀の文化などがあります。コーヒー・セレモニーも、日本の茶道と通じるところが多くあります。

コーヒーの生産

エチオピアはアラビカコーヒーの発祥地であり、今も原種が多く栽培されています。

栽培されるコーヒーは「農園単位」での栽培は少なく、「自然の中」で栽培されているところが多いです。収穫時期は10月~12月となっており、主な栽培の形態は4つあります。

・フォレストコーヒー(全体の約20%)
自然(森)の中に自生しているコーヒーノキから収穫をおこなう栽培形態。

・セミフォレストコーヒー(約35%)
管理しやすいように森を開拓し、コーヒーノキを栽培する形態。

・ガーデンコーヒー(約35%)
エチオピアではもっともポピュラーな栽培形態。いわゆる庭先で他の作物などと一緒に、コーヒーノキを栽培する形態。

・プランテーションコーヒー(約10%)
農園でコーヒーノキを栽培する形態。

プランテーションコーヒー以外は、肥料や農薬を使わずに、結果的にオーガニックコーヒーが多いのも特徴です。

また人気の「ゲイシャ種」の発祥は、エチオピアにある「ゲシャ」という地名に由来しています。ゲイシャはロングべリー種といわれる細長い豆の形が特徴的で、原種ならではの野性味もありつつ、上品かつ高貴な甘みと香りが印象的で、とても素晴らしいコーヒーです。

コーヒーの味わいの特徴

エチオピアのコーヒーといえば、モカコーヒーとも呼ばれ、その特徴的な香りやフレーバーには多くのファンがいます。

その甘い香りは、ジャスミンの花やハーブなどを用いて表現されることがあり、フレーバーはシトラス系の明るい爽やかさが特徴です。

これらの特徴を引き出すように浅煎りに仕上げられることが多いです。苦味が少なく、スッキリとしたストレートコーヒー(ブラック)として楽しめます。

浅煎りに仕上げられることの多いエチオピアのコーヒーですが、生豆のクオリティによってはやや深煎りにしても美味しく楽しめます。酸味の印象が丸くなりつつもフルーティな印象が消えず、ハイカカオチョコレートのような甘みとキレの良さを感じるコーヒーになります。

コーヒーの格付け

コーヒーは生産国ごとに等級(グレード)と言われる格付けが行われています。大きく分けて「栽培地の標高」「スクリーンサイズ(豆の大きさ)」「欠点数」の3つが採用されています。

エチオピアでは、コーヒー生豆300g中の「欠点数」による格付け方法が取り入れられています。

表記300gあたりの欠点数
グレード1(G1)0〜3個
グレード2(G2)4〜12個
グレード3(G3)13〜27個
グレード4(G4)28〜45個
グレード5(G5)46〜90個

最後に

エチオピアの代表的な産地としては「シダモ」「ハラー」「レケンプティ」が挙げられますが、近年では「イルガチャフィ(イルガチェフェ)」がとても人気です。

このエチオピアのイルガチャフィのコーヒーを使った、リキッドコーヒー「贅沢抽出珈琲」が2022年6月17日(金)より発売となりました。後味にキレがあり、軽い口当たりのコーヒーで明るいさわやかな印象を感じられます。

エチオピアのコーヒーを通して、素敵な珈琲時間をお楽しみください。

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