コーヒーを楽しむ!
ブレンドコーヒー

コーヒーを飲むときに必ずと言っていいほど目にするブレンドコーヒーという言葉。

“ブレンドコーヒー”は、複数の異なった産地・種類のコーヒー豆を合わせたコーヒーのことを言います。組み合わせ次第でいくつもの味わいが作れるため、作った人やお店の個性が感じられるコーヒーです。

改めてブレンドコーヒーについて知ることで、コーヒーの楽しみ方もグッと広がります。いつかは自分オリジナルのブレンドコーヒーを作ってみたい!そんな方も参考にしてみてくださいね。

目次

ブレンドコーヒーの特徴
ブレンド方法
実際どのようにブレンドを作っているの?

ブレンドコーヒーの特徴

ブレンドコーヒーの対として、「ストレートコーヒー」があります。ストレートコーヒーは、単一の生産地で収穫されたコーヒーで、その土地ならではの特徴的な味わいを楽しめます。

それでは、ブレンドコーヒーの特徴はなんでしょうか。特徴を2つ、紹介したいと思います。

①独自の味わい

ブレンドコーヒーは、組み合わせや配合比などを変えることで、様々な味わいを作ることができます。その組み合わせは無限にあり、独自の味わいが作り出せます。

ハウスブレンドやオリジナルブレンド…そのお店の屋号が入った「〇〇ブレンド」などは、そのお店のベーシックなコーヒーともいえるので、お店の味の傾向が分かる1つの目安にもなります。各店こだわりのブレンドコーヒーは、お店の考えや表現したいことをお客様に伝える、コミュニケーションツールともいえます。

ちなみに大和屋では、「大和屋ブレンド」を販売しています。創業当時から変わらない、酸味・コク・香りのバランスのとれた定番のブレンドです。

②安定した味づくり

コーヒー豆はもともとコーヒーチェリーと言われる果実の種子の部分にあたります。農作物であるため、必ずしも毎年同じものが出来るとは限りません。同じ産地、同じ農園のコーヒーでも収穫する年によって、味にブレが出てくることもあります。

複数のコーヒー豆をブレンドするブレンドコーヒーは、コーヒー豆の状態に合わせて配合する種類や焙煎度合いなどを変えることができるため、そういったリスクを回避し、品質や味わいを一定のものにすることができます。

ブレンド方法

ブレンド方法は、大きく分けて「プレミックス(Pre-Mix)」と「アフターミックス(After-Mix)」があります。

「プレミックス」…生豆のままブレンドし焙煎する方法です。焙煎する前にブレンドします。焙煎が一度で済むため、アフターミックスに比べると手間がかかりません。一方、すべてのコーヒー豆の焼き上がりが均一に仕上がるため、それぞれのコーヒーの個性が出にくく、やや単調な味わいになりがちという面もあります。

「アフターミックス」…焙煎したコーヒーをブレンドする方法です。コーヒー生豆を別々に焙煎するため、コーヒー豆ごとの個性が引き出され、より印象的なブレンドコーヒーを作ることができます。ブレンドする種類だけその回数分を焙煎する必要があるため、プレミックスに比べると手間と時間がかかります。焙煎される度合いがコーヒー豆によって違うので、ブレンドした後の豆の色が均一にはならず見た目が気になるといった点もあります。

実際どのようにブレンドを作っているの?

さて、「オリジナルのブレンドコーヒーを作ろう!」と思ったとき…実際にブレンドコーヒーをどのようにして作っているのか、気になるところですよね。今回は、ブラジルのサントス商工会議所公認のコーヒー鑑定士資格「クラシフィカドール」を有する、大和屋の平湯社長にブレンドコーヒーを作る時のポイントを聞きました。

平湯社長より

 ブレンドコーヒー作りのスタート地点は、「どのようなコーヒーを作りたいか?」を思い描くことから始まります。
 イメージ通りに仕上がる場合もあれば、コーヒー同士の相性により思いもよらぬ印象が現れることもあったりと、コーヒーの奥深さ、そして難しさも感じます。いくつかのポイントをご紹介しますので「コーヒーって、面白い!!」そんな気持ちで楽しみながら、読んでみてくださいね!

ポイント①
「作り出したい味をイメージする」

はじめに「どういった味わいを作りたいか」をイメージすることが大切になります。

苦みやコクを重視するのか?スッキリとした酸味を重視するのか…?はたまた、どういうシーンでコーヒーを楽しむのか?「朝起きた時」、「おやつと一緒に」、「夜にゆっくりリラックスしながら」と、シチュエーションに合わせるのか…?

コーヒーをいつ、どこで、どんなシーンで楽しみたいか?イメージを膨らまします。最初にきちんと決めておくことで、作っている途中で迷子になってもゴールを見失うことがありません。

ポイント②
「2〜3種類を目安にブレンド」

ブレンドする種類は、基本的に2〜3種類、多くても4種類を目安としています。たくさんの種類を混ぜれば混ぜるほど、それぞれが持つコーヒーの個性がなくなるため、味わいがフラットになる傾向にあります。

まず、思い描いた味わいに近いブレンドの【ベース】となるコーヒーを決めます。次にベースのコーヒーの足りない部分を補う【サブ】になるコーヒー、もしくは飲みやすくするための【つなぎ】となるコーヒーを選びます。

ポイント③
「コーヒーの個性をしっかりと理解する」

ブレンドするコーヒー豆を選ぶときに、「このコーヒーはこんな味」「こんな特徴を持っている」と…コーヒーについて理解している必要があります。

コーヒー豆は産地により味が違い、精選方法によっても味わいが違います。また、同じコーヒーでも焙煎度合いによっても味わいの印象が変わるため、コーヒーに対する知識や経験が多いほどイメージがしやすく、理想の味わいに近づきます。料理に似ているところがあるかもしれませんね!



そうして、ブレンドしてみたコーヒーの試飲を行い、改善するためのコーヒー豆の選定、ブレンドの配合や焙煎方法の調整を行います。こうして試行錯誤をし、皆さまのもとへと届けるブレンドコーヒーが出来上がります!

以前、『群馬のおいしいパン屋さん』という雑誌の発行に合わせて、地元群馬の人気ベーカリー「政次郎のパン」さんとコラボして、ブレンドコーヒーの開発をしました。パンがもっとおいしくなるとっておきの一杯を追求して…「パンに合う珈琲」が生まれるまでの様子を紹介してますので、よかったら見てみてくださいね。→パンに合う珈琲ができるまで

最後に

今回のdeepressoでは、ブレンドコーヒーについてご紹介しました。それぞれのコーヒー豆が持つ個性を活かしながら、独自の味わいを作るブレンドコーヒーは、とても奥深くコーヒーの面白さを身近に感じられます。

美味しいブレンドコーヒーを作るには、コーヒーの知識や経験が必要になってきますが、いつかは自分好みのオリジナルブレンドが作れたら素敵ですよね。皆さまのコーヒーライフをより深く、そしてより楽しくする参考になれば幸いです。

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deepresso編集部が「より深くコーヒーの魅力についての情報発信」を行います。コーヒー業界のトレンドや、最新のトピックも取り入れながら、大和屋が今まで培ってきたコーヒーのノウハウを活かし、一歩踏み込んだ情報をコーヒー好きの皆様にお届けします。

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