分身ロボット「OriHime」
YAMATOYA COFFEE 32にて勤務

群馬県では、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を図っており、デジタル技術を活用した障がい者の社会参画プロジェクトにも取り組んでいます。

この取り組みの一環として、群馬県庁舎32階にある大和屋直営コーヒースタンド「YAMATOYA COFFEE 32」において、期間限定で分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」がスタッフとして勤務しました。

実際に「OriHime」を⾒て、接することで、障がい者の社会参画の一つの形を多くの⽅に知っていただくことを目的としています。 

今回の取り組みは、大和屋としても非常に貴重な経験となりました。YAMATOYA COFFEE 32で行われた分身ロボット「OriHime」を導入したからこそ、感じたことなどを紹介します。

OriHimeとは

OriHimeは、「株式会社 オリィ研究所」が開発した分身ロボットです。2012年に設立されたオリィ研究所は、“孤独の要因となる「移動」「対話」「役割」などをテクノロジーで解決し、これからの時代の新たな「社会参加」の実現”をミッションにかかげています。

OriHimeは、さまざまな事情から外出が困難であったり、直接コミュニケーションを取ることが難しい人の分身となり「できない」を「できる」に変えるツールとなっています。

カメラ、スピーカー、マイクが搭載されており、インターネットを通して操作します。周囲を見回したり、手を動かすことができるため、あたかも「その人がその場にいる」ようなコミュニケーションが可能となります。

今回YAMATOYA COFFEE 32に導入されたOriHime以外にも、目の動きだけで意思伝達を伝えることが可能な「OriHime eye+Switch(オリヒメアイ プラス スイッチ)」や、全長約120cmあり遠隔で接客やものを運ぶことなどが可能な「OriHime-D(オリヒメディー)など、多様なプロダクトが世に送り出されています。

2021年6月には東京・日本橋にオリィ研究所が運営する「分身ロボットカフェ」のオープンや、期間限定でハンバーガー店のレジ接客に導入されたりと活躍の場は広がっています。


参考:株式会社オリィ研究所 ホームページ(https://orylab.com/

YAMATOYA COFFEE 32 導入内容

期間2021年7月26日〜8月6日まで 平日12〜14時
2021年8月13日〜2022年3月25日まで 毎週金曜日12〜13時
導入場所群馬県庁舎32階 YAMATOYA COFFEE 32
パイロットの方全6名(ローテションにて勤務)
業務内容レジにて商品説明や注文受付等

店舗スタッフの声

導入当初はどう接して良いか分からず戸惑う場面も多かったですが、回数を重ねることで今ではスタッフの一人と思っています。また遠隔操作なのでコミュニケーションのタイムラグなど心配でしたが、問題なくスムーズにできました。

遠隔操作というやり取りのため、試飲や試食をすることが難しく、商品知識が不足してしまう部分がありましたが、そこは共に働く仲間としてフォローしあうことで解消しました。 改めて一人一人ができることを行い、難しいことをお互いにフォローしあっていくことが大切だと、考えるきっかけになりました。

大和屋「OriHime」担当者の声

導入時はOriHimeに合うことを目的にご来店してくださるお客様もおり、皆様からの高い関心が感じられました。

最初のうちは、OriHimeを「特別なモノ」として認識してしまうこともありましたが、回を重ねるごとに一人の「ヒト」として接する視点に変化していったように感じます。これは店舗スタッフやお客様も同じだったように思いました。

今回は群馬県の担当職員の方が、オリィ研究所やパイロットの方とのやり取り、お店のカウンターへの設置等、細かくサポートいただいたので大変助かりました。 導入前の打ち合わせ時には、「OriHimeを通じて、レジ操作まで行いたい」という要望もありましたが、レジのシステムとの連携や金銭面のやりとりなどのハード面での課題が残り、今回は希望を叶えることができず残念でした。しかし、デジタル技術等の活用で解消出来るものと考えています。導入してはじめて分かったことや、今回の取り組みを通して障がい者の社会参画について知るきっかけになり、一つ一つのことが大変勉強になりました。

OriHimeパイロットの方より

インタビューを受けてくれた方:ふーちゃんさん

YAMATOYA COFFEE 32で働いた感想

皆さんが温かく迎えて下さったので、ありがたかったです。お客さまともスタッフの皆さんとも色々お話することが出来ました。お互いに慣れない点などもありましたが、その中でも様々な対応してもらい、とてもやりやすかったです。

今回のような取組みを通して伝えたいこと

病気や障がい、介護などで働きたくても働けない人たちがいるということ。そして、分身ロボットを介することで、そういった障がいを越えて外でも働くことが出来るということを伝えられたらと思います。

※「OriHime」「OriHime eye」「分身ロボットカフェ」等は、オリィ研究所の登録商標です。

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