ワイン×コーヒー
意外と多い、共通点の話
ワインとコーヒーには共通点が多いことをご存じでしょうか?どちらも「大人」なイメージがありますが、それだけではない意外と深い関係性についてご紹介します。
目次
・コーヒーの表現はワインと共通!?
・発見者は“山羊”!?
・どちらも抗酸化飲料
コーヒーの表現はワインと共通!?
共通と言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、主にスペシャルティコーヒーのフレーバーを表現するのに用いられるフレーバーホイールは、ワインのアロマホイールを参考に作られたという話があります。
フレーバーホイールとは、コーヒーのフレーバー(味や香りの印象)を視覚的、論理的に表現するために用いられるチャートであり、「グリーンアップルのような印象」「カシスのような味わい」といったような表現に使用されます。
1995年にSCAA(アメリカのスペシャルティコーヒー協会)とWCR(世界コーヒー研究所)が共同で作成。2016年に改修され、現在も使用されています。ワインのアロマホイールは、主にワインの香りの表現を視覚化したものになっています。
発見者は“山羊”!?
コーヒー発見の逸話として有名なのが「エチオピアの山羊飼いの少年が、山羊(ヤギ)たちが、夜になっても元気に飛び回っているのを不思議に思い、観察したところ山羊が赤い木の実を食べていることが分かり、これが睡魔に打ち勝つ“秘薬”(のちのコーヒー)として広まった」というものがあります。
これによく似た話でユダヤの言い伝えの中に「山羊が変わった動きをするというので観察していると、発酵したブドウを食べて酔っぱらっていたことが分かり、これがワインの発見のきっかけとなった」というものがあります。どちらも奇妙な事に山羊が第一発見者となっています。
どちらも抗酸化飲料
近年の健康ブームもあり、注目を集めている「ポリフェノール」
この「ポリフェノール」を多く含まれる食品の代表に“コーヒー”と“ワイン”が挙げられます。
そもそもポリフェノールとは、植物が光合成をおこなう際に生成される“抗酸化物質”のことで、苦みや色素などの成分になります。これにより、植物は紫外線や害虫などから身を守っているのです。このポリフェノールですが、免疫力低下や老化、動脈硬化などの原因となる“活性酸素”を無害な物質に変える作用があり、その健康効果が注目されているのです。コーヒー、ワイン共にこのポリフェノール含有量がとても多いことが分かっています。
コーヒーのポリフェノール
「クロロゲン酸」
コーヒーに含まれるポリフェノールとしてクロロゲン酸があります。このクロロゲン酸はコーヒーポリフェノールと呼ばれ、コーヒーの香味や褐色色素の素になっており、様々な健康効果が注目されています。
クロロゲン酸が身体に与える効果
もっとも注目されているのがダイエット効果です。クロロゲン酸が糖質の分解・吸収を促す酵素の働きを抑制し、余分な脂肪を溜め込まないように働きかけます。更に脂肪燃焼効果もあるとされ、メタボリックシンドロームの抑制に効果があると言われています。また糖尿病予防、アンチエイジング効果(老化防止効果)、血糖値の上昇抑制などにも効果的とされています。
クロロゲン酸の注意点
メリットの多いクロロゲン酸ですが、デメリットもあります。胃の働き(胃酸の分泌)を促進する作用があり、空腹時に摂取すると胃に負担をかけてしまいます。こうしてみると「食後のコーヒー」は実に理にかなっていることが判りますね。ちなみに、クロロゲン酸は深煎りのコーヒーより浅煎りのコーヒーの方が多く含まれ、またインスタントコーヒーよりドリップコーヒーの方が多く含まれていることが知られています。
ワインのポリフェノール
「アントシアニン」
ワインに含まれるポリフェノールとして有名なのがアントシアニンです。このアントシアニンですが体内で生成されません。
アントシアニンの効果
アントシアニンの健康効果としては、視覚機能の改善、眼病予防、メタボリックシンドローム抑制、花粉症予防などが挙げられます。アントシアニンとはギリシャ語でanthos(=花)cyanos(=青い)を語源とし「花の青色」という意味ですが、アントシアニンの色素としては赤や紫など幅広く存在しています。
コーヒーもワインもとても素晴らしい健康効果を持った飲料ですが、どちらも飲み過ぎては意味がありません。自身の体調や適量を守り、美味しく楽しんでください。