珈琲とやきもの
珈琲を愉しむときに欠かせない“うつわ”
お気に入りのうつわは、珈琲時間を豊かにしてくれます。
コーヒーカップ、マグカップ、フリーカップ。
陶器、磁器、色、形、質感、産地の違い等…。
私たちの生活に欠かせない うつわ。
「やきもの」から作られた“うつわ”は、作り手の思いが込められており、使い続けるほどに馴染み、美しさが増します。
日本のやきもの
やきものを作っている産地や歴史、作り手に注目するのも、愉しみ方のひとつです。
「民藝のうつわ」と呼ばれるものは日本各地で、歴史・文化とともに受け継がれ、職人の手でひとつひとつ作られています。「作家もの」と呼ばれるものは、 作り手の感性や個性、想いが感じらる特長的な“うつわ”が多くみられます。
それぞれの“うつわ”には人の手によって作られ、あなたのもとへ届くまでの物語があります。
全国各地の「やきもの」を扱う大和屋高崎本店内から、その一部を紹介します。

江戸時代に開窯。土と炎の融合による自然釉の美しさ、温もりのある土の香り、使い込むほど魅力的なうつわです。

北海道由仁町馬追地区の土を用い「使い勝手のよいうつわ」を心がけ作陶。北国を思わせる美しい釉薬の色合いがコーヒーを引き立てます。

島根県松江市。釉薬のあたたかな色合いと風合いがコーヒーやスイーツにもよく合う、丈夫で使い勝手の良い民藝のうつわです。

天然の土、灰、そして地元長野県松代の温泉水を使用。
200年前と変わらぬ製法の自然釉が独特な青緑の美しさを生み出しています。

六古窯の一つ信楽焼。やすお窯は素焼きの多い信楽の中では珍しく釉薬を多く使用し、多彩な色合い、風合い、デザインを生み出しています。

釉薬をかけずに焼いた、素焼きの風合いが美しい、独創的な形のうつわです。

大分県日田市の山間、小鹿田皿山地区にて300年以上に渡って作陶。現在も機械を使わず、打ち刷毛目、飛び鉋など、伝統の技法にて作られています。ぬくもりのある質感と重量が特徴です。

美しい織部釉、飴釉などの釉薬使いや個性的なデザインが人気です。

陶器に本漆を施し、重厚で艶やかな美しさをもつ陶器の質感と、日本古来の深い色合いをもつ曙(黒)、根来(赤)の伝統的な漆塗りの質感。二つの美を併せ持ったうつわです。

大和屋のコーヒー豆を焙煎する時に出る木炭の灰を釉薬に使用。 「大和灰のうつわ」を作陶しています。
うつわ選びのポイント
色や形だけでなく、飲み心地や使い勝手など…。
「自分基準」で、あなたにぴったりの“うつわ”を選んでみてはいかがでしょうか?
そのポイントをいくつか紹介します。
質感
一般的に「やきもの」と呼ばれているものは、陶磁器とも呼ばれ、主に「陶器」と「磁器」に分けられます。
「陶器」や「磁器」は原材料・作り方により、質感にも大きな差が生まれます。

自然原料の粘土を多く使っており「土もの」と言います。
低めの温度で焼くため軟らかいのが特徴で、厚手につくられます。
目に見えないほどの細かい穴や隙間があり、この中に閉じ込められた空気が断熱材の働きをするため、熱を通しにくく保温性が高いと言われています。

長石(ちょうせき)や珪石(けいせき)と言われる、原料を多く使っているため「石もの」と言います。
高温で焼くため陶器よりは硬くなっています。
水気を吸わないため汚れもつきにく、透明感があり、色鮮やかな絵付けがほどこされているものが多いのも磁器の特徴です。
飲み口の厚み
コーヒーを飲むときに口が当たる部分。
ここが厚い方がいいか、薄い方がいいか。
飲み心地に 直結します。

カップに邪魔されずコーヒーが味わえるため、口当たりが軽く、クリアな印象になります。
そのため、浅煎りの珈琲や、香り系・酸味のある珈琲を楽しむのにおすすめです。

先にカップの質感を感じるため、味わいがしっかりと感じられるのが特徴です。
コーヒーのコクがしっかりと感じられるため、深煎りの珈琲を飲むのにおすすめです。
使うときのシチュエーション

・自宅、職場 など…
「どこで使いたいか?」
・朝、昼、夜、食事中、休憩時…
「いつ使うのか?」
・自分用に気軽に、お客様におもてなしで…
「どのように使いたいか?」
・食洗機が使いたい、軽い物がいい…
「使う条件は?」
使う状況を考えてくると選び方も変わってきます。
最後に・・・

珈琲屋である大和屋がなぜ全国各地の「やきもの」を扱っているのか…?
それは…
創業当時、お客さまをおもてなしする際、持っていた長野県の松代焼のうつわで珈琲を出したことがきっかけだったそうです。
お客さまに大変喜ばれ、その後もお客様の要望に答えたいという思いから、様々な「やきもの」を取り揃えるように。
それが、今現在の「珈琲とやきもの」を販売する大和屋に繋がっています。
今後、更に日本各地の「やきもの」と「珈琲の」愉しみ方をより深くご紹介いたします。